手首の痛みは、スポーツを行っている人のほかに日常生活でも発生しやすいです。
腱鞘炎はなったことがある人は多いと思いますが、他にどのような疾患があるのか部位別にご紹介します。
尺側(小指側)
尺側には尺骨茎状突起がありその周辺で痛みが起きやすいです。
尺骨茎状突起周囲の圧痛が見られた場合、TFCC損傷(尺骨突き上げ症)や骨間靭帯損傷が疑われます。
尺骨茎状突起よりも手側で圧痛が見られた場合は豆状三角関節障害、尺骨茎状突起よりも小指側で手の甲の痛みでは尺側手根伸筋腱の脱臼や炎症、手のひら側ですと尺側手根屈筋腱炎が疑われます。
遠位橈尺関節の圧痛は遠位橈尺関節脱臼や遠位橈尺関節不安定症が考えられます。
中央部
中央部にはリスター結節と言う橈骨の手の甲側にある出っ張り周辺での圧痛が起こりやすいです。
疾患としてはキーンベック病やオカルトガングリオン、手根不安定症、総指伸筋腱炎、carpometacarpal bossが考えられます。
代表的なものとしてはキーンベック病と手根不安定症で、キーンベック病は月状骨が血行障害によって無腐性壊死を起こす疾患です。
手根不安定症は手根骨をつなぐ靭帯が外傷後に断裂や弛緩を起こした結果アライメントが崩れる疾患です。
橈側(親指側)
橈側には解剖学的タバコ入れと言われる場所の圧痛では、橈骨手根関節変形性関節症、母子変形性関節症、STT関節(舟状骨・大菱形骨・小菱形骨の関節)変形性関節症が考えられます。
第一コンパートメントに沿った圧痛では、ドゥケルバン腱鞘炎が主に起こり、橈掌側の圧痛では橈側手根屈筋腱炎が起こります。
第一コンパートメントは長母指外転筋腱や短母指伸筋が通過しているので狭窄しやすいため腱鞘炎が起きます。
今回は手首の痛みに関する疾患をご紹介しました。
次回からは1つ1つ詳しく説明していきます。
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