足関節のリハビリテーションは「リアラインフェーズ」「スタビライズフェーズ」「コーディネートフェーズ」3つのフェーズに分けて行います。
リアラインフェーズでは、理想的なアライメントでの他動関節運動の獲得と足関節中間位での最大屈曲・伸展の獲得を目指します。
スタビライズフェーズでは、リアラインフェーズで獲得された理想的なアライメントと可動域を保つための筋機能の獲得を目指します。
コーディネートフェーズでは、理想的なアライメントを崩す動作を修正し正しい動作の獲得を目指します。
今回はリアラインフェーズについて書いていきます。
可動域
リアラインフェーズでは、正しい動きを獲得するためにリリースを行います。
つま先を上げる動きにおいて距骨滑車が後方移動しながらつま先が上がっていくのが理想ですが、アキレス腱と脛骨の内側の皮膚の癒着、ふくらはぎの筋肉と深部にある筋肉の滑走が悪い、内くるぶし周辺の癒着があるとうまく動きが出せません。
逆に、つま先を下げる動きは距骨滑車が前方移動しながらつま先が上がっていくのが理想ですが、脛の前の筋肉の皮膚の癒着、脛の前の筋肉と深層の関節包との滑走不全が悪いとうまく動かせません。
癒着や滑走が悪いところには組織間リリースを行うことによって、正しい動きを獲得することができます。
これでも、可動域を獲得できない場合は足首の前の動くところ周囲のリリースをします。
トレーニング
正しい可動域を獲得した後は、それを保つためのトレーニングを行います。
筋力強化というよりも筋コントロール能力を回復させるために行います。
タオルギャザーはその一つで、足の角度を90°から徐々につま先を上げて実施することで、ヒラメ筋と深部の筋の滑走を狙います。
この時、足の指をしっかりと開いてタオルをつかむことが重要です。
またチューブトレーニングも重要で、つま先を上げる運動や股関節外旋筋群を鍛えることによって、つま先を上げる筋肉の萎縮を防止し、スクワット時に膝が内に入るのを防止します。
腓骨筋のトレーニングは捻挫とは逆の動きをしますが、距骨の滑走性を改善させる方向と逆の動きなので行うべきではないです。
今回はリアラインフェーズという初期のリハビリテーションをご紹介しました。
次回はスタビライズフェーズのリハビリテーションをご紹介します。
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