斜頚は、頭頚部が左右どちらか斜めに傾いた姿勢をとる病態で、顔が反対側に回旋していきます。
斜頚には先天性のものと後天性のものがあります。
原因として、先天性斜頚の場合は、胸鎖乳突筋の拘縮(筋性斜頚)・頸椎や胸椎の形態異常(骨性斜頚)が発症の原因になり、後天性斜頚は、咽頭部の炎症(炎症性斜頚)・目の運動にかかわる筋肉の異常(眼性斜頚)・外傷(外傷性斜頚)・後頭部筋の異常な筋痙縮(痙性斜頚)などがあります。
斜頚の病態生理
病態生理として、もっとも頻度が高い先天性筋性斜頚は、後頭部と鎖骨・胸骨をつなぐ胸鎖乳突筋の拘縮によって生じます。
出生直後に気づかされますが、その90%は1.5歳までに自然治癒します。
鑑別疾患として、環軸椎回旋位固定があげられます。
症状・所見は、先天性筋性斜頚では、出生後に首のしこり(肉芽組織)を生じ、その側に頚部を傾け、顔は反対側に回旋します。
首のしこりは生後3週間くらいから徐々に大きくなってきます。
検査・診断は、筋性斜頚は触診で、骨性斜頚はX線検査で診断できます。
治療法は、先天性筋性斜頚は経過観察。難治の場合は、3歳ころまでに外科療法(胸鎖乳突筋切除)を行います。環軸椎回旋位固定では、局所安静・整復・牽引・頚椎カラーの装着などを行います。
予後は、定期的な観察と適切な治療によって改善されるケースが多いです。
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