胸郭出口症候群とは、頸部・肩・上腕で、腕神経叢が鎖骨下動静脈と共に圧迫されて神経・血管障害をきたします。
頸部が長く、なで肩の女性に多く、男女比は1対2〜3とされています。
原因としては、胸郭出口部の先天性狭窄や筋腱付着部の異常、頸肋や索状物などの圧迫物・外傷やスポーツ・作業による機械的刺激の反復や第1肋骨や鎖骨の肥厚変形・重量物の運搬によっての肩甲骨への負担、小胸筋や大胸筋の肥厚などがあげられます。
頸肋症候群・斜角筋症候群・肋鎖症候群・過外転症候群
胸郭出口症候群は、圧迫の原因によって、頸肋症候群・斜角筋症候群・肋鎖症候群・過外転症候群に分類されます。
主に圧迫される部分としては、前斜角筋と中斜角筋の間・鎖骨と第1肋骨の間の肋骨間隙・小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方になります。
症状としては上肢の痺れや疼痛・熱感・冷感・脱力感・握力低下・手指の運動麻痺などがあげられます。
鎖骨下動脈が圧迫されると手指や腕が蒼白になります。
鎖骨下静脈が圧迫されると手指や腕にチアノーゼ様変化が現れます。
治療としては、非ステロイド性抗炎症薬の投与や、日常生活動作の指導などで、重症の場合は、観血的療法が検討されます。
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